この街では、人と話すときに「その人の人生について尋ねてはならない」という暗黙のルールがある。
僕はそのルールを守りながら、この街でポートレイトを撮り続けている。そのため、相手が自ら自分のことを語らない限り、その人生を知ることはない。
今回、OCA!シンポジウムのために詩人・谷川俊太郎さんが、僕が何度も撮影させていただいている山田マサオ(釜ヶ崎在住の活動家)さんに聞きとりをしてそれを詩にすることになったので、そこへ同席させてもらった。マサオさんに対して僕が聞けなかったことを、目の前で谷川さんが聞いていく。
長くもなく、短くもない聞きとりのあと、こんな詩が生まれた。