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SEX48
最終話 愛ですか? いいえ、愛です。
文・Q本かよ
写真・若原瑞昌
編集後記:2年前の正月、Q本と大阪で行きつけの台湾料理で会ったときに、「PCが飛んで、完成したばかりの長編の原稿がすべて消えちゃったんです!」と告白され、「元気だせよ!」と酒を飲ませた。それから1年後。「物書きとして復活しろ!」とまた酒を飲ませ、「しかも官能小説を!」と半ば強引に口説いた記憶がある。僕はただ、Q本がもう一度小説を書き上げたことだけで十分だ。この300枚の原稿は、彼女の女子軟式テニス日本一という肩書き以上に誇らしい。若原瑞昌
あとがき
「イヤ私、性描写の引き出し全然ないですよ......」と、2011年の年の瀬、大阪心斎橋で火鍋を囲みながら私は言ったはずでした。しかし「そのハードルの高さが小説に第三の力を生む!」と説得力のあるようなないような若原さんの言葉に押され、連載小説のテーマは「セックス」に決まってしまったのでした。
直接的な性描写は読むのも書くのも体力をつかうウブな女であるはずの私は、「エロ小説書いてるんだって?」という周囲の人々に「違います、大人の青春群像小説です」と抗いながら執筆を続けるも、陽光差しこむ書斎で「ドライオーガズム」などと検索窓に打ち込んでいるうちに中枢神経が狂ったのか、中盤を過ぎる頃には飲み会の誘いを断るのに「ちょっとエロ小説の締切が近いので」と自ら口走る始末でありました。しかしここで改めて言わせてもらいます。「SEX48」は、セックスをめぐる大人の青春群像小説です!
読み返すと拙いところばかりが目についてつらい気持ちもありますが、居酒屋での悪ふざけから始まったこの小説を、若原さんの神秘的な写真に彩られながらここに掲載させていただき、曲がりなりにも完結させることが出来たことに今はホッとしています。声をかけて下さった若原さんを始め、私の拙い小説の掲載を許容して下さったD-CORDの皆さま、そして1行でも読んでくださった全ての方に感謝し、あとがきとさせていただきます。
Q本かよ