TOP / DIRECTION'S EYE / Good Morning Yukon 序
Good Morning Yukon 序
2003年の7月、写真家・宮澤聡は初めてカナダのバンクーバーに降り立った。全長900km、16日間をかけて壮大なYukon Riverを下るために。
2003年の7月、はじめてカナダのバンクーバーに降り立った。そこから、トランジットしてWhitehorseに向かうためだ。何をしに行くかと言うと、川下りをするため! でも、ただの川下りではない。壮大な川下りである。
全長900km、16日間をかけてYukon Riverを下るのである。これを壮大と言わずして、なんと言う?(自分的にはそれまでアウトドアの経験は、ほとんどない)。しかし、これはぼくが立てた計画ではない。NY時代からの腐れ縁の友達の計画に乗っかった形だ。この友達はHiroとSeijiだ(SeijiはNYから現地集合)。
Hiroとぼくは、バンク―バーで乗り換えるためにImmigrationで待っていたら、なぜかとっ捕まった。ぼくは、基本的によく捕まるたちで、盗難チャリンコ、警察の職質、飲酒検問、Immigrationなどなど、なにもしていないのに、よく捕まって質問を受ける。見た目があやしい(自分は、そう思ってない)のかよくわからないが、Immigrationの列に並んでいたら、警察に「君たちこっちに来て」と、別室に連れて行かれた。荷物をすべて開けさせられた。
「きみたちは、どこからきたの? メキシコ?」。
「Drag持ってない?」。
「あぶないもの持ってない?」。
とかいろいろ聞かれた。
風貌的に海外ではメキシコ系によく間違えられるが、れっきとした日本人じゃ! パスポート見せて日本人だとわかったみたいだけど、「メキシコから来てない?」と、まだ疑ってる。調べている警察官が、ちょっとアジア系だったので聞いてみたら、日系3世だった。だったらもうちょっとやさしくしてよ! って思ったが、いくら日系3世でもAirport Policeはそんなに甘くはない! 裸にならずにすんだので、よかった! と胸をなでおろした(裸で自慢できるほど、いい体してないし)。
結局、乗り継ぎに間に合わず次のフライト、たぶん2時間後ぐらいだったと思うけど、それに乗ることになった。まだDomesticだからいいけど、Internationalなら乗れなかったぜ! 昼2時ぐらいにWhitehorseに着くはずが4時ぐらいになってしまった。夕方4時と言っても北極圏に近いところの夏は昼みたいなもんです。
Whitehorseの空港は、こんな感じ、基本的になんにもありません! 田舎の空港ですから! なのに、International Airport なんです! そして空港からタクシーでペンション「Hide on Jackal」 に向かうのです。川下りの準備をする基地となる。
ここから、壮大な川下りが始まるのです。