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Nikkei Brasileiros! vol.1

ジュン・マツイ(タトゥーアーティスト/俳優)

日伯交流100周年企画
後援=在日ブラジル大使館
協力=AMERICAN AIRLINE

Photoraphs & Text by Mizuaki Wakahara(D-CORD)
Directed by Ryusuke Shimodate
Edit by Tomoko Komori

Camera Assistant by Yayoi Yamashita
Coordinated by Tamiko Hosokawa (BUMBA) / Erico Marmiroli


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2008 年、地球の裏側ブラジルへの移民がはじまって100年の月日が流れた。今では150万人を超える日系人が暮らしている。 南半球最大都市サンパウロへ「japon」に会いに旅にでた、日系ブラジル人ポートレイト集。

eye_photo01.jpg 2008年10月2日

ついにこの日が来た。何ヶ月も前から準備をすすめ、この旅でどんな出逢いが待っているのだろうかと想う僕の胸は好奇心で飽和状態だった。初日の今日はタトゥーの彫師、ジュン・マツイに会いに行く。彼の作品や日本での生活について書かれている『HARI』という本を読んで、僕は彼の彫るタトゥーがとても好きになった。それに、僕の最大のアイドルである写真家ブルース・ウェーバーが来日した際に、わざわざ時間を割いて彼の撮影をした話も聞いていたので、なおさら会いたい気持ちが強かった。


eye_photo02.jpg15時に自宅兼アトリエに伺う約束だった。日本に住む弟のエイジに教えてもらった住所をもとに買ったばかりのサンパウロの地図を開いた。ジュンさんが住まいとして選ぶ環境にも興味があったので、どんな所に住んでいるのだろうと思いながら通りの名前を照らし合わせた。意外に僕らのホテルから近かったので、メトロで行くことにした。


eye_photo03.jpg着いたのは旧市街のど真ん中。人も車も多い。アパレルショップやタトゥーショップも多く、忙しなくざわついたエネルギッシュな街だった。「意外!」だと思 いながら番地の数字を追いかける。ここだ。と思ったところに住所のメモの番地はなかった。そんなはずはない。あわてて地元の人に聞くが「この辺だと思う」。となま返事。しかたなくその場を少し離れたところで暇そうにしていた警官にメモを見せる。「やっちまった!」。全然違う街に来ていた。同じ名前の通りなんていくらでもあるわけで。


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「間に合うのか?」タクシーに飛び乗った。当たり前だ。僕の想像するジュンさんが選ぶ街じゃない。別に嫌いな街ではなかったけど、ここじゃなくて良かったと内心思った。 東へ35分ほど向かっただろうか。ジュンさんの家の目の前に僕らは降ろしてもらった。旅の初日にありがちなヘマをしたが、初日なだけに充分過ぎる時間の余裕をみて出発したので間にあった。そこは緑に満ちた静かな住宅街の中だった。呼び鈴を鳴らすと、正面玄関でなく裏口のようなとびらが開き、ジュンさんが優しい表情で迎えてくれた。第一印象は『HARI』を読んで想像していた人物像とはあまりにもかけ離れていた。


 




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